「学校の友達は上辺の付き合い。自分なんか出したら速攻ハブられますよ」
塾講師時代に担当していた高校生の女の子が、ポロっと言った言葉。
「そんなことないよ、自分は自分だよ」なんて気安く言うことはできなかったし、すごく寂しそうな笑顔だったことを今でも覚えています。
「本当の友達なんかいない」という悲しい言葉
「先生、わたしには本当の友達なんかいないんですよ。
一緒に行動する子は5人ぐらいいるけど、みんな上辺の付き合い。
良いと思ってなくても賛成するし、上手く笑ってることもできますよ。辛くないです。
そもそも自分なんか出しちゃったら、速攻ハブられますよ。そんなことできないな~」
いま思い出しても、胸の奥に突き刺さります。
塾講師をしていた頃、高校生の女の子が打ち明けてくれた話です。
本人は軽い口調で、「そんなもんですよ」なんて笑ってました。
わたしはただ「そうなんだ」と相づちを打ちながら聞いていました。
「塾は気楽なの。勉強だけしてれば良いし、話すのは先生だけで “友達” をつくる必要もないし」
こんな時どういう言葉が適切なのかわからなくて、その時はこんなことを言いました。
「そっかぁ‥‥わたしは、今こういうことを正直に話してくれる〇〇さんが、好きだな」
「あるべき論」は適切じゃないと思った
この時、「他人を気にする必要はない」とか「自分らしくあるべき」とか、こういう言葉をかけるのが適切でないと思いました。
たぶんそんなことわかってるんだろうな、とも思いました。だからこそ、打ち明けてくれたんだと思います。
自分が女子高生だった時のことを思い出してみると、集団の中で自分だけ違う意見を言うのって、かなり難しいことでした。
もしグループから外されるようなことがあったら‥‥。
そんなリスクを冒すよりも、自分の意見を隠して、みんなに同意して、ニコニコ穏便にやっていた方が、よっぽど安全に思えるんです。
わたしが中学生や高校生だった時もそういう側面があったし、そんな中で「他人に合わせる必要はない」なんてことは、そうとう難しいことだったんだよなぁ‥‥。
その子になんて声をかけるべきだったのかは、いまでもちょっとわかんないです。
でも、ひとつだけアドバイスをしました。同じようなことを経験した人間として。
「学校以外にも、世界をつくってみると良いよ」って。
学校がすべてじゃないってことを、知ってほしい
大学生とか大人になれば、自分が所属する世界を選べるようになります。
でも中学生とか高校生は、自分で自由に選ぶことが難しい。
だから自分が入った学校で上手く生きることができなかったら、自分の中では大問題です。
たまたま入った高校で気の許せる友達が見つからなかったから、その子は「本当の友達なんかいない」という結論になっちゃったんだろうし、「自分を出したらダメだ」なんて考えになってしまったのかもしれません。
でも、学校がすべてなんかじゃないんだよ。世界はもっと広いんだよ。
学校では上辺の付き合いしかできなかったとしても、自分を受け入れてくれる人って絶対いるんだよ。
そんなことに気付いてほしくて、わたしはその生徒に対して「わたしは〇〇さん好きだな」と伝えました。
わたし以外にも、そう思う人は絶対にいるし。学校じゃなくてもいいから自分を表現できる場所を見つけてほしいなと思いました。
塾でも、バイトでも、ネットの世界でも何でも良いんだけど、学校という閉鎖的な社会の中にいる自分だけで考えないでほしいな。
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