ビジョンを持って仕事をしている人に、とても魅力を感じます。
「自分はこれをやっていく」と宣言することを「旗を立てる」と表現したとすると、その旗が素敵であればあるほど、惹きつけられます。
「旗を立てるのには、どういう効果があるのかな?」「どうやって旗を立てれば良いのかな?」ということを考えてみたので、書いてみようと思います。
「なんでもできます」は「得意なことはありません」と一緒
フリーランスで仕事をしていると、プロフィールに書いてしまいがちなのが「これもできます、あれも書けます」「なんでも書きます」的なこと。
いろいろできた方が仕事の幅が広がるし、オールマイティーであることが良いことだと勘違いしがちです。
でも実際「なんでもご相談ください」という人には、なかなかお願いしにくいです。なぜなら「これやってほしいな~だれか良いライターさんいないかな~」と思ったときに、思い出されにくいから。
例えば「旅行についての記事」だったら、「旅行に特化したライター」の方が思い出されやすいはず。「なんでも書ける」の中に「旅行系もできる」が入っていたとしても、印象が薄いので思い出してもらえません。
だから、「なんでもできる」とか「いろんなことやりたい」は、「得意なこと、ありません」と実質一緒になってしまうのだと思います。
特化している人の方が思い出されやすいし、もう少し言えば、「自分はこれをやっていくんだ」という想いのある人の方が、わたしは魅力に感じます。
「自分はこういうことをやっていくんだ」という旗を立てる
学校でも会社でも「協調性を持ちなさい」と言われながら生きるわたしたちにとって、「自分はこういうことをやっていくんだ」と主張することは、なかなか簡単なことではありません。
だって、これまではずっと「自己主張は悪」という感じで育ってきたから。
でも一方で、自分が実現していきたいことを宣言できる人には魅力を感じるし、そうなれたら良いなぁとも思います。
先日読んだ『「コト消費」の嘘 (角川新書)』に、こんなことが書いてありました。
それは、決意表明をすることで、その企業や店にある種の「人格(キャラ)」が生まれるからです。「人格(キャラ)」が生まれると「物語の主人公」になる資格を得ます。
(本書p174より引用)
これは一個人でも同じで、決意表明をすることで、表明を受けた側は「決意に向かう物語の主人公だ」という認識をするんだと思います。
主人公はストーリーの中心人物ですから、印象にも残りやすいし、思い出してもらいやすいですよね。
「こういうことをやっていくんだ」という未来のビジョンの立て方
ただ、なんでもかんでも決意表明さえすれば良いというワケではありません。
先ほどご紹介した『「コト消費」の嘘 (角川新書)』の中には、ビジョンを立てるときのポイントについても書かれていました。
- 利己的なビジョンでは誰からも共感してもらえない
- キレイ事では嘘くさい
- 同業他社でも語ることができるビジョンでは心が動かない
- 簡単に達成できるビジョンはワクワクしない
- 実現不可能そうなビジョンは相手にしてもらえない
→この主人公ならひょっとしたら達成するかもしれないという絶妙なビジョンを掲げる必要がある
(本書数P184-185から抜粋)
「自分はこれをやっていく」というビジョンをかかげると、共感してくれる人もいれば、批判してくる人もいると思います。
逆に「なんでもやります」という人のところには、共感者も批判者も来ません。要するに、誰も集まってこないんです。
わたしは、どっちかになるなら、前者の方が良いなと思います。
だから、「自分はこれをやっていくんだぞ」という旗を立てる。
その旗に共感してくれる人と一緒に何かをしたり、わたしの旗に関することで思い出してもらえたりすれば、それはとても幸せなことだなと思います。
まとめ
「旗を立てる」という表現をはじめて見たのは、プロブロガーのイケダハヤトさんの著書『旗を立てて生きる』でした。
それぞれが「自分はこれをやっていくんだ」という旗を立てて生きる世界って、とても良いなと思いました。
一方で「やりたいことがない」という人もいると思いますし、わたしも大きい野望があったワケじゃないので、その気持ちもすごくわかります。
ただ、本来「自分のやっていきたいこと」はこれまでの自分の延長線上にあることなんですよね。過去にこの記事でも書いてます。
あと、今回ご紹介した『「コト消費」の嘘 (角川新書)』や『旗を立てて生きる』の中でも、「どうやって旗を立てるか」について書いてあるので、参考にしてみてください。
旗を立てて生きる──「ハチロク世代」の働き方マニュフェスト (就職しないで生きるには21)
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