「自分には才能があるはず」という万能感を、誰しも一度は持ったことがあると思います。
たいていそれは幼少期の頃に感じるもので、成長するにつれ「自分よりできるヤツ」に出会い、その万能感を打ち砕かれたり。
じゃあ、「自分には才能がない」と思ってしまった人たちは、才能がある人たちの成功を黙って見ているしかないの?もう成功できない?
そんなことは、ないと思うんです。
才能がないことを認める勇気
先日読んだ『ひらめき教室 「弱者」のための仕事論 』という本に、こんな言葉が載っていました。
松井「自分の才能のなさ、弱点を一回認めた人は本当に強いですよ。」
(本書p80より引用)
この本は世界的デザイナーnendoの代表である佐藤オオキさんと、マンガ『暗殺教室』の作者である松井優征さんの対談がまとめられた本です。
両者ともにその業界では成功している人であると感じますが、それでも自分たちに「才能がない」と言います。
松井「それでは大して才能がない人間がこの業界で生き抜くにはどうしたらいいか。そのためには他の能力を磨く。「生き抜くためなら何でもするぞ」という覚悟を持つ。そして、考えて考え抜く。」
(本書p79より引用)
まず才能がないと認めることが一歩目だったと言います。
無理に「才能がないと、この世界は生き延びることができない」と思い続けて、真正面から勝負するようでは、互角に戦うことが難しいのです。
一方で、「才能がない」と認めてしまえば、「じゃあ、どうすればこの世界で戦えるか?」を考えることができます。
「才能がないからできない」という考え方ではなく、「他の力で補えないだろうか」という考え方が、お二人がそれぞれの業界で生き残っていくためのひとつの手段なのだと感じました。
対談の中ではこの戦略を「弱者戦略」と名付けていますが、自分が「弱者」であることを認められるのは、強さだなとも思いました。
完璧じゃないから、味がある
才能がないと認めることは、負けることではありません。むしろ、その欠けている部分が、人を惹きつける材料になるのだと感じます。
本の中でも、そんな話が出ていました。
佐藤「きれい過ぎたり、パーフェクトなデザインって、特徴がなくてつまらないと僕も思っていて。」
松井「完璧な美人みたいなもんですね。逆に愛しにくい(笑)。」
(本書p42より引用)
成功しようと思うと「完璧にならなければ」と考えてしまいがちな気がします。しかし、完璧じゃないからこそ人を惹きつけることができるのです。
自分の周りに見ても、多くの人に影響を与えている人や有名な人は、けっして完璧ではないのではないでしょうか。
「あの人○○はすごいけど、××に関しては本当にダメだよね」
そんな一面があるからこそ、人間らしくて、どこか応援したくなる。愛したくなる。そういうものだと思います。
自分が完璧ではないことを認める。
そして、それを悲観するのではなく「じゃあ、どうする?」と次の一手を考えることを楽しむ。そんな仕事の仕方をしていけたら良いなと思っています。
まとめ
『ひらめき教室 「弱者」のための仕事論 』では、デザイナー論も漫画家論も働き方についての話もされていて、とても興味深かったです。
実はわたし、佐藤オオキさんの作品も松井さんのマンガ『暗殺教室』も読んだがありませんが、それでもおもしろかったので気になる方はぜひ!
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