今流行りのアドラー心理学。私は大学生の頃からアドラー心理学に興味があって、割とそれに関する本は読んできた方だと思います。
その中でも、やはりこの人気の2冊は、アドラー心理学を本当にわかりやすくまとめてあります。
しかし私は今回この本をオススメしたいワケではなく、これを全て実践しなくても良いじゃないかという立ち位置で書いていきたいのです。
アドラー心理学の考え方
1冊目の『嫌われる勇気』は、アドラー心理学が初めての人にとって本当にわかりやすくまとまっています。
超簡単にまとめると、アドラー心理学とは「人は変われる」を全体に「今ここ」を考える心理学なのです。すべての悩みは対人関係から始まるという考え方で、自分の課題と他者の課題を切り離す重要性を説きます。
私は初めてこの本を読んだとき、かなり腑に落ちた感覚がありました。その時の私がもっとも強く共感したキーワードは、対等です。
人間自体に優劣や上下はない、そんなシンプルな考え方に納得できました。
考えてみれば当たり前なんですけどね。当たり前なことを気づかせてくれるものが学問だから、それで良いのだと思います。
アドラー心理学に深く共感した私は、塾講師として子どもたちと関わる中でさっそく実践してみるワケです。
現実世界での実践の限界
アドラー心理学の考え方には深く共感しています。そして、それが理想的な姿であると思うことも多々ありました。
しかし、実践してみて思うことは、これを完璧に取り入れるには時間がかかるということです。しかもその「時間がかかる」というのは1ヶ月や1年の単位ではありません。ひょっとしたら、自分の生きている間に完璧に取り入れることは不可能かもしれません。
なぜなら、今の社会自体が、この考え方を需要する準備ができていないからです。
「対等」を解くアドラー心理学では、ほめない、叱らないスタンスをとります。
ほめる=能力のある人が、能力のない人に下す評価」と考えるのです。ほめることで、対等な関係が崩れてしまうんです。これは非常に実践が難しいものでした。
生徒が良い点数をとってきたら、やっぱり「すごいね!」って言いたくなります。私自身がそうやって生きてきたからなのかもしれません。
なるべく、ほめるのではなくて「自分はどう思った?」と聞くようにしました。
私がほめるから点数を取るのではなくて、自分が嬉しいから頑張るという考え方をしてほしかったのです。これは結構上手くいったと思います。
かといって、「すごいね!」はやっぱりクセで言ってしまう。。
そんな中で、私は次のように考えることにしました。
完璧に取り入れなくても良い
もともとは「私はアドラー心理学に共感した。だからアドラー心理学を100%実践したい」そう考えていたワケです。
しかし実践の限界を感じた私は、「アドラー心理学が正しいというワケではない。必要な部分だけ取り入れよう」と思うようになりました。
心理学も、自己啓発も、全部が全部その通りに実行しなければいけないワケではないんですよね。どれが正しいとか、ないんですよ。
全ての考え方は人生をより良くするためのヒントに過ぎないんです。
その中から自分の人生をより良くするためにどれをチョイスするか決めることができる。
あまりにもストイックに心理学や自己啓発の考え方を取り入れようとすると、「上手く実践できない自分」にヘコむんですよね。
でも、それじゃあ本末転倒なんです。
だって人生をより良くするための考え方なのに、「自分はダメだ……」とか思ってしまうとしたら、それって真逆じゃないですか。
だから、アドラー心理学が完璧に実践できなくても良いワケです。アドラーの考え方に共感していたとしても。
ということで、私はアドラー心理学から「他者の課題の分離」と「対等の考え方」だけつまみ食いして、あとは無理に実践しないことにしました。
ちなみに「教育者として実践したけどやっぱりムリだったじゃないか!」という内容が、2冊目の『幸せになる勇気』です。
当然ながら2作目はかなり細かい込み入った内容になっていて、「たしかに」と思うところと「うーん」と思うところがあったりしました。
とはいえ、教育者としてアドラー心理学を実践してみた私にとっては、同じような疑問を抱いていたので参考になった部分も多かったです。
子育てをしている方や教育に関わる方は『幸せになる勇気』まで読んでみると良いかもしれません。それ以外の場合は、『嫌われる勇気』だけを読めば十分アドラー心理学がわかると思います。
いろいろな考え方を知ること自体は、素晴らしいことだと思います。
でも、それらの考え方はすべて「自分の人生をより良くするためのヒント」だということを忘れないでください。
共感したからといって、それをそのまま実行しなくても良い。自分に都合の良いところだけピックアップして取り入れても良いのです。
同じことはこのブログにも言えます。私の考え方は正しいワケではまったくありません。でも、何か共感するところがあれば、お好きなところを切り取って、取り入れてもらえたら嬉しいです。
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