「相手の立場になって考える」とはよく言われることですが、なかなか簡単に実践できるものではありません。
頭ではわかっていたとしても、自分基準で考えがち。「この商品を売りたい」「この仕事を頼みたい」とか。
そういう時は、他人の行動をデザインするという視点を持ってみると、仕事や人間関係も上手くいくのではないかと思うのです。
すべてのことは「人」につながる
例えば自社の商品を売りたい、自分のサービスを買ってほしいと思った時に、買ってくれるのは「人」ですよね。
仕事を頼みたいとか、夫に家事をやってほしいとか思った時にも、動くのは「人」ですよね。
じゃあその「人」に動いてもらうためには、どうすれば良いのか。
押し付けてもダメ、無駄に賞賛してゴマをすってもダメ(っていうかあざとい)。
じゃあ「どういう行動を起こしてほしいのか?」から逆算して、「どういう気持ちになったら、その行動に移るのか?」を考えてみた方が良いのかもしれません。
これが行動をデザインするということです。
行動デザインとは?
「行動デザイン」という言葉は、こちらの本から来ています。
本の内容としては、これまでのマーケティングの考え方を、「行動」という切り口から考え直している感じです。
この本は主に企業の商品を売るためのマーケティングについて書かれていますが、これって「モノを売る」こと以外にも、仕事や人間関係の多くの場面に当てはめることができると思います。
例えば、こんなこと。
- 夫に皿洗いをお願いしたけど、全然やってくれない。
- 友達と一緒にアプリのゲームをやりたいからオススメしてみたけど、全然やってくれない。
- 上司に仕事をお願いしたけど、全然やってくれない。
そう、「全然やってくれない」と思った時に役立つ、ということです。
「やりにくさ」を解消してあげれば、動くかもしれない
動くか動かないかを選択する時に、人は無意識に「コスト」について考えます。
コストには5つの側面があるようです。
・金銭的コスト
・肉体的コスト
・時間的コスト
・頭脳的コスト
・精神的コスト
(本書p113より引用)
簡単に言えば、「高いから無理」「めんどいから無理」「時間かかるし無理」「頭疲れるし無理」「悩んでるから無理」みたいな感じです。
その「無理」と思う気持ちを、いかに少なくしてあげるかが行動デザインのカギとなっています。
どうすれば行動がデザインできるのか
実際に動いてもらうには、先ほどの5つのコストを上手く削減して、実際の行動につなげるためのツボをおしてあげる必要があります。
本の中(p197)では18個のツボが紹介されているのですが、その中から2つご紹介してみます。
ツボ1:急かされると、人は動く
ネットの申し込みでよく見かけませんか?「残りあと1枠!」とか。
ひどいものだと「あと○日○時間○秒後に値上げします!」とかいう表示が出てきて、リアルタイムで数字が減っていくのが見えたり。
「ああ、急かされてる」とは思いますが、やっぱりなんとなく「早く決めなきゃ」と思ってしまいます。
「損したくない!」という気持ちが働いて、めちゃくちゃほしかったワケじゃないけど買っちゃうこともあるかもしれません。
ツボ2:挑発されると、人は動く
キングコングの西野さんが「ハロウィンの翌日に渋谷のゴミ拾いをやるよ!」という活動をしていましたが、「アンチ西野、ゴミ拾うなよ!」みたいな声掛けもしていて、ああ上手くツボを押しているな~と思いました。
西野さんといえば、先進的な取り組みを多くしていて、熱狂的なファンも多い分アンチも多いという方です。
それを逆手にとって「拾うなよ!」と呼びかけることで、「ゴミを拾ったら西野が活動できなくて困るだろう」とアンチに思わせて、上手く挑発して、目的を達成したのです。
目的は、「渋谷からゴミをなくすこと」ですからね。
「どういう気持ちになってほしい?」を考えてみる
行動デザインの細かい手法や実践例を読むと「いろいろ試してみたい!」と思うのですが、とりあえずは次の2つについて考えてみることから始めようと思いました。
- どういう行動を起こしてほしいのか
- その行動を起こすためにはどういう気持ちになってもらう必要があるのか
さっき上げた例で考えるとすれば、こんな感じ。
例)夫に皿洗いをお願いしたけど、全然やってくれない。→どんなコストがあるのだろう?→どういう気持ちになったらやるのだろう?
ということで、行動をデザインすることさえできれば、仕事もスムーズにできるし、成果も出るし、何かをお願いする上での人間関係も上手くいくじゃん!という結論に達しました。
気になる方は、ぜひ読んでみてくださいね。
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