人は、どういう時に心が動くのか。
特に「どんなエンターテインメントが心を揺さぶって、明日も頑張ろうという気持ちにさせるのか」に、ものすごく関心があります。
「誰かの心に届くようなものを書きたい」とこちらの記事で書いたけど、「届く」ために必要なモノのひとつが「心が動くこと(感動)」だと思っていて。
ライター・狩野ワカさんとの企画「書くことについて 二人のひとりごと」の9回目となる今回は、「感動の要素」について考えてみます。
感動に影響する3つの要素
そもそも、自分はどういう時に感動するのか。
胸がじーんとなったり、鳥肌が立ったり、時には涙が出たりして「すごく良いものを見た、自分も頑張ろう」と思うのか。
エンターテインメントに絞って考えてみると、
- 好きなバンドのライブを観た時
- 合唱や吹奏楽の演奏(特に音楽番組の演出付きのやつ)
パット出てきたのは、この2つ。
どうしてライブや合奏・合唱に感動するのか考えた結果、感動には3つの要素が関係しているんじゃないかと仮説を立ててみました。
【感動の3要素】
- 音
- 光
- 言葉
感動の要素1:音
まず、わたしはかなり音に弱いようです。
例えばライブでステージが始まる直前、小さく流れていた音楽が徐々にボリュームアップしてきたら、それだけでグッときがち。(チョロい)
合唱とか合奏も、同じ要領かもしれません。音の強弱に弱い。
感動の要素2:光
暗いところから急に明るくなるとか、逆に急に暗くなるとか、光を使った演出も高揚感に関わっていると思います。
Perfumeやサカナクションのライブのように効果的に光が使われているのも感動しやすいです。
音楽以外では、キャンドルナイトとか、そういう光の演出にも弱いです。
感動の要素3:言葉
音や光だけで感動する場合もあるんですが、やっぱり言葉の威力は大きいです。
ライブのMCでの一言や、テレビのドキュメンタリーで発した言葉は、それだけでも胸に刺さります。
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音・光・言葉という要素を見てきたけれど、単体で機能する場合もあるし、コンビネーションでキメてくる場合もあります。
また、あえて要素には出さなかったけど、その根っこには「気持ち」が絶対に必要です。
根底に「気持ち」がないエンターテインメントは空虚だし、もちろん感動も生まないと思います。そこは大前提ですよね。
感動の3要素を文章に組み込むには?
わたしは今「書く」という領域にいるので、文章で誰かの心を震わせられたらいいなと思っています。
ということで、仮説として出てきた3つの要素を文章に組み込むには…?と考えてみました。
※自分の主戦場がWebなので、画面越しで文章を読んでもらうことが前提です。
1)音
「音」は、文のリズムかなと思いました。
物理的に音を伴ってテキストを届けるのはなかなか難しいので(オーディオブックだったらできるけど)、文のリズムで取り入れる。
自分が感動した文章を分析してみると、たいてい話の展開のスピード感を文のリズムで上手く調整しているんですよね。リズム大事です。
2)光
「光」は、写真や画像で取り入れられそうです。
PCやスマホ画面自体が光っているから、色のついた写真を文章に挟むことで、ビジュアルはもちろん、色のついた光も届けられるよなぁ、と。
「この文章は静かに読んでほしいから、青色の写真を入れよう」と考えることはよくあるので、そういうイメージ。
3)言葉
そして、何よりも言葉。当たり前ですけど。
音楽や映像に比べて、文章は光や音の要素が弱いけど、言葉は一番届けやすいですよね。
でも、「心動かす言葉」は簡単ではないです。
このブログでは何度も書いてきたけど、やはり自分の言葉で、本当の想いを、ウソをつかずに言葉にすることが重要なんじゃないかと、現段階では思っています。
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最初に出した例では「感動した文章」については触れなかったのだけど、もちろん記事や小説などの文章で、一時的な感動ではなく、ぐぐっと心に刺さって残り続けるものもあります。
それと、「文章」で感動したもので、印象深かったのが、以前開催していた谷川俊太郎展です。
空間に並ぶ言葉を体感するの、慣れてないからなのかなぜなのかすぐには言語化できないけれど、ドキドキした…。初台でやってる谷川俊太郎展、とても良かった! pic.twitter.com/6SEsk9ufdG
— マツオカミキ (@matsuo_mk) 2018年2月1日
文章が、光や音や様々なものとコラボレーションしている空間。
通常は紙や画面上で見ている文章が、ダイナミックに音や光と連携したことで、いつもとは違った感動がありました。
こういう「文章のあり方」もすごくおもしろいし、Webだけにこだわらず、いろいろと届け方を考えてみたいなと思うようになりました。
おわりに
自分なりの感動の要素を考えてみましたが、このテーマはまだまだ考える必要がありそうです。
引き続き、自分が感動した時に分析してみるのはもちろんですが、人によってこの感動ポイントが違いそうだなぁ、とも思ってます。
この企画のお相手でもある狩野さんは、どういう時に感動するんだろう?ぜひ、知りたいです。
ライター友達の狩野ワカさんと「書くことについて」の連載をやっています。
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